さて、2019年も当ブログ最後の更新は、
管理人星屑の「今年のボードゲームBEST3」です。
今年、日本語版が発売されたボードゲームの中で、
来年以降も星屑必携となりそうなタイトルは…?
3位からランキング形式で発表してまいります!
と、その前に、
妻しーぷの2019年ナンバーワンは――
★しーぷNo.1「ふたつの城の物語」
しーぷ「っていうかさ!」
星屑「うん」
しーぷ「なんで星屑のベスト3にコレが入ってないの?!」
しーぷ「あのノイシュヴァンシュタイン城と、」
しーぷ「ふたつの街の物語の夢のコラボだよ?!」
しーぷ「ノイシュヴァンは2015年の星屑の3位だったし、」
しーぷ「ふたつの街にいたっては2016年の1位だったよね?!」
しーぷ「その間を取ったって2位にはなるはずでしょ?!」
星屑「その理屈はともかくとして、うん、ぶっちゃけるとね、」
しーぷ「ぶっちゃけると?」
星屑「オレの中で今年の4位だったんだよ…ふたつの城の物語…」
しーぷ「あー、上が厚かったわけかぁ」
しーぷ「なるほどね」
星屑「あくまでベスト3って銘打ってるから、仕方なかったっちゃん」
しーぷ「じゃあ安心して自信を持って強い気持ちで宣言するね」
しーぷ「私の2019年のベストはふたつの城の物語でした!!!」

両隣の席のプレイヤーと、
それぞれ協力して城をつくり上げていくゲーム「ふたつの城の物語」。
ルールについては、
"ふたつの街"からタイルドラフトと正方形タイルのタテヨコ配置を、
"ノイシュヴァン"からは多彩な部屋の接続による得点方法を、
それぞれ持ち込みつつ、うまく融合させている感じです。
"ふたつの街"の良いところは、
なんといっても、他のプレイヤーとの途切れない会話で、
"ノイシュヴァン"の良いところは、
さまざまな部屋によって完成する自分だけの城でしたが、
それらが合わさると、どうなったかというと――

▲これは、ある日のウチのボードゲーム会で、
▲たまたま席が隣になった私星屑と妻しーぷとつくった城なんですが――
星屑「とりあえず地下に《チーズ蔵》をつくっとくわ」
しーぷ「じゃあ、その下に《キノコ部屋》もつくるね」
星屑「なんか《バター製造室》を引いたっちゃけど、」
星屑「採算とか度外視でつくっちゃってもいいかな?」
しーぷ「なんだか美味しそうなお城になりそうだからOK♪」
星屑「(よく考えたら、美味しそうなお城って何だろう…汗)」
しーぷ「あ、こっちには《朝の喫茶室》があるよ」
星屑「おお、これ、あと玉子さえ採れれば、」
星屑「とろ~りチーズとキノコ入りのオムレツを、」
星屑「《朝の喫茶室》で食べられる感じになるね!」
しーぷ「玉子が採れる部屋ってないのかな…?」
星屑「もし、あとで回ってきたら絶対に確保しよう!」
…
……
………
星屑「(よっしゃ、本当に《玉子の部屋》を引けたぞ…!)」
星屑「しーぷ、これ見て!」
星屑「ちゃんと《玉子の部屋》が回ってきたよ!!」
しーぷ「ナイス!」
しーぷ「これで完璧…って、」
しーぷ「よく見たら《玉子の部屋》じゃなくて《王子の部屋》じゃん!!」
星屑「うげ、ほんとだ…」
星屑「そういえばイラストの中に玉子の要素が全くないし…汗」
しーぷ「でも、さっきブタさんの部屋を見かけたし、」
しーぷ「ニワトリさんの部屋もあるかもしれないから、」
しーぷ「気を落とさずに完成を目指そうよ!」
星屑「うん、なんとしても美味しいオムレツを…!」
結局、玉子が手に入らず、オムレツは完成しなかったんですが(笑)、
得点のことだけではなくフレーバーのことでも大いに盛り上がれる、
とても愉快なゲームになっていました!
実際、他のプレイヤーたちも、
「うまくタテに伸ばせて塔での得点を稼げたね!」
「ヨコに広がりすぎて平屋みたいな城になっちゃったね…」
「なんだかヤバい部屋が多すぎでしょ、この城…!」
「こんなイビツなカタチの城になんか絶対に住みたくない!!」
「玄関が地下にあるんだけど、どうやって入ればいいんだろう…」
「こっちの城はこっちの城で、玄関が4階にあるんですが…」
などなど、得点計算が終わったあとも、
おのおの自分たちの城を写真に残しながら感想を述べていることが多く、
どうやら、見事に両作品の"良いとこ取り"に成功したようですね!
そんな「ふたつの城の物語」が、
妻しーぷの今年のナンバーワン作品となったようです!

▲なお、存在した模様…。
最後に、余談なんですが――

▲このゲームのタイルのウラ面が、
▲六花亭の「マルセイバターサンド」に見えるのは、
▲しーぷと星屑だけでしょうか…?( ̄▽ ̄;)
さてさて、ここから改めて星屑のBEST3をば!
★2019年3位「タワー・オブ・マッドネス」

2019年の、といいながら、
この「タワー・オブ・マッドネス」の発売は2018年12月27日。
あまりにも年の瀬すぎたため、
昨年のボードゲーム会に登場することができず、
今年に入ってから始動できたタイトルということで、
こちらのランキングに入ることになりました…!( ̄▽ ̄;)
とはいえ、
ランキング入りしたということは、私星屑のハートをつかんだわけで、
その最たる理由はビー玉のジャラジャラ感!!
ジャラジャラ感 pic.twitter.com/sLwwrg1GVm
— 星屑@大分県宇佐市でボードゲーム! (@HoshikuzuTp) December 24, 2019
…は、もちろんなんですが、それだけではなく、
ダイスゲームとして良いものだと感じたのが非常に大きかったのです。
5つの6面ダイスを繰り返し振って、
1と2と3の目を確定させつつ、残り2つの目の合計値で競う。

すごくシンプルで、初心者にも説明しやすいルールながら、
そこはダイスロールということで運に左右されることも多々あり、
経験者が安全策に走っても、ダメなときはてんでダメという、
わかりやすさと、ある意味の公平感を兼ね備えた、
バランスのとれたダイスゲームだと思います。
そして、ダイスゲームというのは、
おおよそ、その時点で終わりというのが大多数ですが、
そこで終わらないのが、この「タワー・オブ・マッドネス」!
ダイスロールの結果が、タワーからの触手の引き抜きにつながり、
そうして転がり出てきたビー玉の色によって何かが起こる…!

ダイスゲームから、ナチュラルにギミックゲームへと接続されていて、
まさに一粒で二度おいしい的な作品に仕上がっているのです!!
一方で、重要な要素とはいえ呪文カードの存在によるテンポの悪さや、
あまりにもムラのあるゲーム展開などといった気になる点もあります…。
けれど、
ルックスの異様さで多くのプレイヤーたちの目を引き、
最後のダイスを振るときのドキドキ感や、
触手を引き抜くときのハラハラ感といった、
ゲーム体験の質の良さで大きな満足感を与えてくれる。

よくあるタイプの"一度プレイして封印する系ゲーム"かと思いきや、
今年、何度も何度もプレイすることになった「タワー・オブ・マッドネス」が、星屑の3位になりました!
→開封&紹介記事
なお、元々は1万円近くするゲームでしたが、
2019年末現在、駿河屋さんで6千円台なかばになっていますね。
→駿河屋さん商品リンク
★2019年2位「カスタムヒーローズ」
トランプゲームといえばの一つ「大富豪(大貧民)」。
あのゲームには"革命"という、
同じカードを4枚出すことで数字の強弱が逆転するルールがありますが…、
そうではなく「大富豪」自体の革命といえるのが、
この「カスタムヒーローズ」です!

なにが"革命"かって、
手札のカードの数字を書き換えられちゃうんですよ…!

▲このカードは本来は《4》ですが、

▲透明カードを挿入することによって、

▲なんと《10》に書き換えられてしまいました!!

▲それどころか、足し算で《15》にしてみたり…、
他の例では、

▲数字を足し引きすることで、
▲うまく同じ数字のカードを揃えたりと、
手札が変幻自在という、まさにオキテ破りな「大富豪」…!
しかも、数字が書き換えられたカードは、
そのまま次のラウンドに持ち越されて、
シャッフルされた上で再配布されるので、
自分が書き換えたカードが他人に渡ったり、
他人が書き換えたカードを自分が握ったり、
さらには、書き換えられたカードに書き足しをしたり…。
ゲームは最大で6ラウンド+αですが、
終盤に向かうほどカードのインフレが激しくなり、
最後の方なんかは――

「《3》を6枚やー!」
「さすがに同じ数字を6枚は誰も持ってないっしょ!!」
「…ふん、あまいなっ」
「透明カードをちょちょいのちょいで…《10》を6枚!!!」
「なん…だと…!?」
…なんて、小学生のマウント取りみたいな面白い展開になります!
ちょっとルールブックが読みづらいという欠点こそありますが、
そこは当ブログの開封&紹介記事なんかを見てもらうとして…、
最大6人で、お手軽にワイワイ盛り上がれる「カスタムヒーローズ」が、
カードゲームでは珍しく星屑のランキングにインしました…!
→開封&紹介記事
★2019年1位「ERA 剣と信仰の時代」
こういうのをプレイしたかった大賞です!
私星屑がボードゲームに惹かれる要素として、
盤上の立体感というものが一つ大きく存在します。
それは――

▲例えば「メディナ」だったり、

▲あるいは「ビッグシティ」だったり、

▲はたまた「エクスパンシティ」だったり…。
ぼくはコンピューターゲームの「シムシティ」が大好きですが、
同じ街づくりであっても、あのデジタルの立体感とはまた違った、
確かに目の前にあるリアルなカタチとしての立体感といいますか、
それが触れることも手に取ることもできるという事実は、
アナログゲームならではの美点だと思うのです!

▲こちらはこちらで好きですけどネ♪( ̄▽ ̄*)

この「ERA」は、
そんな立体感のある建物コマを配置していくことで、
自分の好きなように箱庭をつくり上げていくことができます。
唯一、強制されるのは、
盤面のド真ん中に主塔を1つ建てさせられることだけで、
あとは本当に自由自在に箱庭づくりに没頭することができる。
とはいえ、
各建物の数には限りがあって、
それらは他のプレイヤーとの取り合いになりますし、
ダイス運によっては思うようにコトが運ばないこともありますが…、
何度も何度もプレイすることで腕を磨いていけば、
確実に、自分にとっての理想の街づくりに近づくことができ、
また、ダイスという不確定要素もあいまってリプレイ性が高く、
繰り返してプレイしたくなる作品に仕上がっています。

▲例えば、星屑の初プレイでは、
▲市壁を完成させられず、いまいち得点が伸びませんでしたが…、
(*画像の左下の部分を完全に閉じられなかった)

▲2度目のプレイでは、
▲しっかりと市壁を閉じることで高得点を叩きだすことができ…、
(*市壁の中の建物は得点が2倍になる!!)

▲3度目のプレイでは、
▲相手からの焦土コマに苦しめられながらも柔軟に対応して、

▲辛くも勝利することができました♪( ̄▽ ̄*)
実は、この日は3連チャンでプレイしたんですが、
ぼくが同じゲームを続けても集中力を切らさないのは珍しいので、
それだけの面白みとテンポの良さを兼ね備えているということでしょう!
温かみのある木製ボードの手触りに感激しつつ、
とにかくダイスの出目に一喜一憂していた前作から――

いま現在の需要に即した、いわゆる映えるゲームへの華麗なる転身…!

なにぶん箱が大きいですので、持ち運びこそ大変ですが、
来年以降もプレイを重ねて腕を磨いていきたい「ERA」が、
2019年の星屑にとっての堂々の1位となりました!
…と、こんなところで今年の、
ブログ「大分県宇佐市でボードゲーム!」
を〆させていただきましょう。
2020年もステキなボードゲームと出会えますように!
それではボードゲーマーの皆さん、よいお年を…!
記事を閉じる▲
★箱の外観

▲箱のオモテ面。ボールペンとのサイズ比較。
そびえ立つタワーから、ニョキニョキと伸びる触手たちが、
禍々しいイラストの中にあって異彩を放っています…!( ̄▽ ̄;)

▲箱のウラ面。
オモテ面のイラストを具現化したら、こうなりましたと。
これは触手が好きな人にはマジでたまらんでしょう!

▲スペック。
プレイ人数は3~5人で、
プレイ時間は40~60分。
対象年齢は10歳~となっています。
ルール難易度的には小学校低学年でも問題ありませんし、
むしろビー玉が落ちるギミックは大ウケしそうなものですが、
小さい子にクトゥルフというのは判断が分かれそうですね。
★箱をオープン!

▲一発目はルルブ!

▲その下に、さっそく触手のお出ましで、

▲ここにタワーのパーツ。

▲それからダイスとタイルとボードに、

▲カード類とマーブルで内容物は以上でした!
★タワーの組み立て!
せっかくですので、
まずは注目のタワーを組み立ててみましょう!

▲テーブルにドンとベーストレイを置いて、

▲その上にマグネット式のタワーを建てます。

そのタワーに四方八方から触手を挿し込み、

▲黄色以外の全てのマーブルを流し込んで、

▲最後に屋根をかぶせたら完成…なんですが、

▲この屋根がクセモノで…!
マグネットの正しい留め方が分からないし、
タワー上部との噛み合わせがよろしくないしで、
かぶせることが出来ず…( ̄▽ ̄;)
どなたか、正しいかぶせ方を、
ご存知の方いらっしゃいましたら、
ぜひぜひ私星屑に教えてください!
★内容物

▲ルールブック(英語・全8ページ)
箱のサイズのわりにはシンプルなルールが記されているルルブです。
しかしながら、いまいち読みにくい構成で、
くだんの屋根についての説明がないのも難儀でした…!

▲タワー(一式)
タワーを構成する3つのパーツです。
かなりしっかりした作りのベーストレイの周囲には、
破滅マーブル(=緑のビー玉)を置く台座が3ヵ所あります。
(なお、全3個の破滅マーブルが落ちきってしまうとクトゥルフが…)

▲忌まわしきもの(触手)×30本
タワーの穴に挿し、
その内部でマーブルの(一時的な)足場となる棒状のものです。
正式名称は"忌まわしきもの"または"触手"らしいですが、
どうにもゲソとかイカ焼きとか呼ばれがちですね…( ̄▽ ̄;)

▲マーブル(ビー玉)×40個
青・白・赤・緑と黄色のビー玉です。
触手を抜くことでタワーから落ちてきて、
その色によって異なる効果が発生します。

▲特製ダイス×5個
「1」~「6」の目があり、
それぞれの目にアイコンが示されているダイスです。
上の画像にはありませんが、
6の目は「エルダーサイン」になっています。

▲記録ボード×5枚
各プレイヤーが1枚ずつ持つ個人ボードです。
上段が、振ったダイスをロックしていく場所で、
中段が、発見ダイスの出目の合計を記録する場所で、
下段が、落としたマーブルを置く場所になっています。

▲スタートプレイヤートークン×1枚
ラウンドごとに時計回りで移る、
スタートプレイヤーを示すトークンです。
ウラ面は、ちょっと(かなり?)目を背けたくなるような、
名状しがたき目玉焼きのようなものが描かれています。

▲超自然現象トークン×5枚
ダイスを振って「5」の目がジャスト2個出たら、
1枚を選んで受け取れるボーナスのトークンです。
受け取ったラウンド中にしか使用できませんが、
いずれも便利な効果を持っています。

▲最後にカード類。

▲探索者カード×10枚
各プレイヤーが1枚ずつ担当するカードです。
10枚中の5枚は特に能力がなくフェアで、
残りの5枚には、それぞれ固有の能力があり、
プレイヤーの話し合いによって使い分けることができます。

▲呪文カード×22枚
ゲーム開始時に2枚配られ、また、
ゲーム中に白マーブルを落とすごとに1枚得られるカードです。
正気のとき用のセイン効果と、
正気を失ったとき用のインセイン効果があり、
いずれも自身にとって良い効果をもたらしてくれます。

▲場所カード×24枚
プレイヤーたちが探索し、
未知なる真実を発見すべき場所です。
プレイ人数によって10枚前後を使用し、
その枚数=ラウンド数となります。
★どんなゲーム?
「タワー・オブ・マッドネス」は、
触手を抜くことで落下するビー玉が特徴の、
クトゥルフをテーマにしたダイスゲームです!
プレイヤーたちは、
開かれてしまった異界へのゲートを封印して、
クトゥルフの復活を阻止し、世界を救うために――

▲数々の忌まわしき場所を探索しなければなりません。
具体的には、必ず1枚目となる「時計塔」に加えて、
3人プレイなら10枚、4人プレイなら9枚、
そして5人プレイなら8枚の場所カードでデッキを作り、
これらを1枚ずつクリアしていきます。
例えば4人プレイなら、
1枚目の「時計塔」+9枚で合わせて10枚となり、
これがイコールでラウンド数になりますので、
全10ラウンド(の予定)となるわけです。
各ラウンドは、
デッキから場所カードを1枚めくって、
そのラウンドで探索する場所を明らかにした後、
時計回りで各プレイヤーが1ターンずつ…という流れになります。
自分のターンが回ってきたら、
場所の探索…すなわち――

▲ダイスロールを行いましょう!
最初は5個のダイスを振って、
さらに、ダイスロールを繰り返すことができますが、
その度に、必ず1個以上をロックしなければなりません。
なお、
ダイスロールの目的は、探索を成功させて、
その上で誰よりも大きな発見をすることです!
探索の成功とは、
全5個のダイスのうちの3個の出目を、
「1」「2」「3」でロックすることをいいます。

▲この「1」「2」「3」の3個のダイスを、
▲"探索ダイス"と呼び、
▲これらを揃えられたら探索は成功です!
そして、残りの2個のダイスは…、

▲"発見ダイス"と呼び、
▲この2個のダイスの出目の合計値が最高のプレイヤーが、
▲そのラウンドの"トップ探索者"となり、
▲場所カードを獲得して、発見ポイント(=勝利点)を得ます!!
最低条件として「1」「2」「3」の出目を揃え、
かつ、残りの2個で少しでも大きな目を出す…!
実際の流れが、どんな感じかというと――

▲1回目のダイスロール。
▲出目は「1」「1」「3」「3」「4」。
とにもかくにも「1~3」を揃えなければ始らないので…、

▲「1」と「3」を探索ダイスとしてロックし、
▲「2」が出ることを祈って、残り3個を振り直します。

▲2回目のダイスロール。
▲出目は「3」「5」「6」。
残念ながら「2」は出ませんでしたが、
最低でも1個はロックしなければなりませんので…、

▲ここは「6」を発見ダイスとしてロックし、
▲残り2個を振り直します。

▲3回目のダイスロール。
▲出目は「2」「5」。
幸いにも「2」が出てくれましたので…、

▲探索ダイスの「1~3」が揃い、探索の成功が確定しました!
▲さらに「5」を発見ダイスとしてロックし、
▲発見ダイス2個の合計値は「11」に!!
ここで、「5」の目を振り直すこともできますが、
むしろ合計値が下がる確率の方が高いですので、
4回目のダイスロールはやめておこうという判断。

▲黄色のトップ探索者マーブルで、
▲合計値の「11」を自分のボードに記録しておいて、
続く他のプレイヤーたちに、
この合計値以上を出されなければ…、
(※同値か、より大きい場合はトップを奪われてしまいます)

▲トップ探索者となり、そのラウンドの場所カードを取って、
▲カード右上の発見ポイントをゲットという寸法です♪
逆に、探索に失敗してしまった、
つまり「1~3」の出目を揃えられなかった場合――

▲例えば、こうなってしまうと、
タワーから忌まわしき触手1本を引き抜かなければなりません!

▲そして、引き抜いたことによって落下した、
▲全てのマーブルの効果が発生します!!
と、いっても、
マーブルの効果は悪いものばかりではなく、
過度に身構える必要はありません。

▲各マーブルの効果は、こんな感じです。
緑マーブルは、全3個が落ちるとゲームオーバーになってしまう。
赤マーブルは、自分にとって4個目の落下で発狂してしまう。
白マーブルは、1個につき呪文カード1枚を引ける。
青マーブルは、1個につき3発見ポイント(=勝利点)になる。
赤は4個目さえ落下しなければ、どうってことないですし、
緑は全39個中の、たった3個しかありません。
(なにこの露骨な死亡フラグ!)
一方で、白は有用な呪文カードが引けますし、
青は着実に発見ポイントを重ねることができます。
(なにこの露骨な甘い誘惑…!)
トップ目のプレイヤーとの差が開いている場合は、
むしろ触手を引き抜きたい!と思うこともあるでしょう。
しかしながら、
もしも4個目の赤マーブルで発狂してしまうと、
個人目標がクトゥルフの復活に切り替わってしまい、
以後はダイスを振ることなく、
ただただ自分のターンに触手を1本引き抜くだけになります。
しかも正気に戻る方法が皆無…( ̄▽ ̄;)
魅力的なメリットもある触手ですが、
ご利用は計画的に、というヤツですね!


以上が「タワー・オブ・マッドネス」の根幹です。
わりと長くなってしまいましたが、基本は、
・とにかくダイスで「1~3」を出す。
・出せなかったら触手を1本引くことになる。
・出せたら残り2個で大きな出目を狙う。
これだけ。簡単ですね!
そんな簡単さを据え置きつつ、
それでいてピリリとスパイスを効かせてくれるのが、
以下に紹介する3つの要素になります。
超自然現象と呪文カードと場所カード。
一つずつ見ていきましょう!
☆超自然現象
ダイスロールをするたび、
何よりも先にチェックすべきなのが、
「5」の出目がジャスト2個あるか否か?です。

▲振ったダイスの中に、1個でも3個でもなく、
▲「5」の出目が2個ちょうどあったなら…、


▲まだ誰にも取られていない超自然現象トークンを、
▲1枚選んで受け取ります。
受け取った超自然トークンは、
そのラウンド中しか保持することができず、
ラウンドが終わると未使用でも場に戻さなければなりません。
(「投獄」のみ次のラウンドまで持ち越せる)
超自然現象トークンの内訳は、
発見ダイスを振り直して逆転を狙える「新たな真実」、
直前のダイスロールをやり直せる「最後のチャンス」、
4個目の狂気マーブルすら跳ね返す「私は正気だ!」、
他人の呪文か触手抜きをキャンセルできる「投獄」と、

▲自分の白マーブル1個を青マーブル扱いにして、
▲実質3発見ポイントを得られる「禁断の知識」の5つ。
いずれも、あると安心感が増すものばかりですので、
うっかり「5」の出目を見逃さないようにしましょう!
☆呪文カード
ゲーム開始時に2枚もらえて、
ゲーム中は白マーブルを落下させることによって入手できるのが、
プレイヤーたちの手札となる呪文カードです。
呪文カードの特徴として、
1枚の中に正気用と発狂用の2つの効果があります。

▲正気のときは青文字の効果が発動。
自分の赤マーブルを取り除いたり、
他人のダイスロールに制限をかけたりと、
とにかく自分が優位に立てるような効果が多いです。

▲逆に、正気でなくなると赤文字の方の効果が発動。
正気でなくなると、
勝利条件が3個目の緑マーブルを落とすことになる都合上、
多くが触手を引き抜くことに特化した効果になっています。
注意点として、
カードごとに効果の発動するタイミングが決まっていますので、
チャンスを逃さないように呪文を唱えていきましょう!
☆場所カード
1枚目の「時計塔」以外の場所カードには、
ダイスロールのルールを修正する効果があります。
修正内容には、メリットもデメリットもあり――

例えば、
「鉱山」は、探索失敗時に触手を2本引き抜かなければならず、
「ミスカトニック大学」は、1回目のダイスロールで、
発見ダイスを2個ともロックしなければなりません。
(探索の成功率が大きく下がりますね…)
一方で、
「公会堂」は、「2」の目を2個以上出せば、
自分の赤マーブル1個を取り除けますし、
「ダゴン秘密教団」は、「4」の目をジャスト2個出せば、
その2個を好きな出目に変えてロックすることができます。
(※これを「5」に変更しても超自然現象にはならない)
効果は違えど、条件は全員が同じという中で、
場所を味方につけたプレイヤーが周りを出し抜くことになるでしょう…!
★コメント
ビー玉ゲームにハズレなし!!
…というのは、
ちょっと前でいえば「ポーションエクスプロージョン」が、
最近でいえば「ギズモス」が証明してくれています。
よって、
同じビー玉系である「タワー・オブ・マッドネス」も、
約束された当たりゲーに違いない!
…そう購入前に確信するには、しかし、
タワーからマジで触手がはえちゃっているという、
あからさまなネタ臭が漂いすぎているルックスが、
大きな釣り針や地雷に見えて仕方ありませんでした。
それでも、
やはり転がり落ちるビー玉の魅力には抗うことができず、
もう釣られても爆散してもいいやという強い気持ちで、
ポチって開封して、実際にプレイしてみた結果――
やっぱりビー玉ゲームにハズレはなかった…!
以下、2つの視点からレビューを書いてみます。
☆タワーに即したダイスゲーム!
とにもかくにもタワーに目がいきがちな、
この「タワー・オブ・マッドネス」ですが、
それと同じくらい重要な役割を担うのがダイスです。
ゲームの流れは、基本的にダイスロールによって進行し、
その時々でタワーから触手を引き抜くというものですので、
どんなにタワーがプレイヤーたちの目を惹いても、
ダイスまわりのルールがカッチリしていないと、
いわゆる"一度やれば十分な"作品で終わってしまいそうなもの。
そのあたり、どんな感じかというと――
まず、
ダイスロール=探索の最低条件になっている、
「1~3」の出目のロックというのは、
実際にやってみると、そう難しいものではありません。
つまり、その気になれば触手は難なく回避できるわけです。
そして、そんな文字通りの"最低"条件に、
いくつかの要素が積み重なっていきます。
その最たるものが、
残り2個のダイスで、できるだけ大きな値を出すという要素。
ここで、少しでも大きな目を出したいという欲が、
最低でもいくつ以上の目を出さなければという焦りが、
発見ポイントか触手かの天秤を狂わせて、
探索の成功率を、やや低下させるわけです。
安全策に走れば、ちゃんと回避できる触手を、しかし、
勝ち負けに直結する場所カードの発見ポイント欲しさや、
あるいは、青マーブルや白マーブルへの期待感によって、
ついつい引き抜くハメになってしまう…( ̄▽ ̄;)
プレイヤーの心理を手玉にとるような、
実によくできたダイスゲームですね!
それでも、みんながみんな失敗を連発するというほどではなく、
ゲームの展開が大崩れするようなことはありません。
ゆっくりゆっくり、じわりじわりと触手を引き抜かせていく…!
そんな意図が、ひしひしと感じ取れる設計のおかげで、
触手の本数はゆるやかに、しかし確実に減っていきます。
一方のタワー側はといえば、
何本かの触手が引き抜かれたところで、
そんなにはビー玉を吐き出しません。
序盤はビー玉が1個も落ちないことだってザラですし…、

▲落ちたとしても、1個や2個といったところ。
なかなか触手を引かせないダイスと、
なかなかビー玉を落とさないタワー。
このコンビネーションは、
さながらヒビの入りつつある巨大なダムを彷彿とさせます。
なぜなら、ゲームも終盤を迎える頃になると、
タワー内の触手とビー玉のバランスは絶妙なものになっていて、
それを支えている致命的な一本を引き抜いてしまうと…、

▲一瞬にして内部崩壊が発生し、
▲大量のビー玉が流れ出てしまうのです!!
こうなると、
まず間違いなく正気を失うことになりますし、
クトゥルフの復活も現実味を帯びてしまいます…!
崩壊直前の緊張感といったら、
それはもうヒヤヒヤと冷や汗をかきそうなほどで。
なにせ、
触手を引き抜くときに、内部のビー玉が動くと、
カタンッ!
…という、わりと重厚な音がして、
これが心臓に悪いのなんの。
そんな修羅場は回避したいところだけれども、
終盤といえば発見ポイント争いも佳境に入っていて、
安全策に逃げてばかりもいられない…。
その上、場所カードはプレッシャーをかけてくるわ、
他のプレイヤーからは呪文カードが飛んでくるわで、
あっちこっちから縛りプレイを課されてしまう…!
このように、
やりごたえのあるダイスゲームが、
タワーからの体感と見事に噛み合って、
ばつぐんのゲーム性を発揮しているのです!
ちなみに、
これはルールブックに書いてあることですが、
いまいちビー玉が落ちきらないままゲームが終わってしまい、
なんだか消化不良だと感じた場合は、
触手の本数を減らしてスタートしたり、
場所カードの枚数を増やしてスタートしたりすると、
ちゃんと修羅場を味わうことができてオススメですよ♪( ̄▽ ̄*)
☆とっつきやすいクトゥルフゲーム!
私星屑、クトゥルフの知識がほとんどありません。
リアルにどれくらいのものかといいますと、
ニャル子さんと「ラブクラフト・レター」を足して2で割ったくらい。
そんな星屑ですので、
クトゥルフがテーマのゲームをプレイするたびに、
こんな知識で大丈夫だろうか?と不安になるものですが…、
この「タワー・オブ・マッドネス」は大丈夫でした!!
なぜなら、フレーバーテキストが皆無だからです!
だいたいのクトゥルフ系ボードゲームは、
カードとかタイルとか、いたるところに、
なんだか難解な文章が記されているものですが、
このゲームには全くナッシング…!
あ、唯一、場所カードの「時計塔」には、
言語を絶する忌まわしき恐怖を探索せよ……
あなたがその正気を失う前に!
との記述がありますが、
本当の本当に、この一文オンリー。
残りの全カードには、
ただ淡々と効果のみが書かれているだけです。
さらに、
ダイスには6面に6つのアイコンが描かれていますが、
数字だけを見ていればゲームはプレイできますので、
アイコンの意味とかを知る必要がありません。
つまり、
クトゥルフの理解がなくても、ぜんぜん平気なわけです!!
クトゥルフ系のゲームにあっては珍しく、
めちゃくちゃ敷居が低くて、とっつきやすくなっています!
それでも、ちょいちょいプレイしていると、
クトゥルフが復活するのは、
ゲームが強制終了しちゃうくらいヤバいのかー。
とか、

発見ダイスで出て欲しい「6」の目になってるってことは、
このエルダーサインっていうのは良いものなのかな?
とか、
なんとなくでクトゥルフを感じることができる…!
もちろん、
クトゥルフの知識が豊富なプレイヤーさんは、
より深く、このゲームを楽しめるわけですが…、
クトゥルフ初心者でも安心してプレイできるというのは、
ひとつ大きなポイントだと思いました♪( ̄▽ ̄*)

入口が広く、ダイスゲームとしてシンプルで、
それでいて劇的な展開が待ち構えていて、
何度でもプレイしたくなる…!
これは正真正銘、約束された当たりゲーでしたね!

最後に、購入のオススメ度合いですが、
なにぶん価格が価格ですので、
よほど好きでなければオススメしにくいところ。
それと、気になった点として、
先述の通り、タワーの屋根がビミョーだったり、
新品なのにカードが少し折れていたり…、

と、いくつかケチが付いているのが残念でした。
とはいえ内容は、
ここまでに書き尽くした通りですので、
ギミック系が大好きなプレイヤーさんでしたら、
買って後悔はないと思います!( ̄▽ ̄*)
ギズモスもそうですが、
日本語版の発売にも期待したいですね。
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- 屋根を二等辺三角形と見たときの底辺。
つまり時計塔と接触する部分に切れ込みがあります。
それを物理で折ると綺麗に刺さりました。
>>
星屑トランペッター 貴重なコメントを見逃しておりました申し訳ありません!
切れ込みを、ぶ、物理で…試してみます♪( ̄▽ ̄*)
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