★箱の外観

▲箱のオモテ面。ボールペンとのサイズ比較。
ジャケットは、カラフルな密集住宅地のイラストです。
どことなく「塊魂」を彷彿とさせますね…!

▲箱のウラ面。
いきなり「おめでとう!」から始まるゲーム内容の説明文ですが、
背景の説明ばかりで、いまいち何をするゲームなのかが掴めません。
唯一、右側のイラストでタイルゲームであることが分かります。

▲スペック。
プレイ人数は2~4人で、
プレイ時間は30分。
対象年齢は14歳~です。
★箱をオープン!

▲一発目はルルブ!

▲その下にタイル台紙があって、

▲底部にダイスとキューブで、
▲内容物は以上でした。

▲なお、タイル台紙の総量は、
▲箱の半分ほどとなっています。
★タイル抜き!

▲それでは、10枚の台紙からタイルを抜いていきましょう!
よーいドン! チッチッチッチッ……(←時計の音)

▲はい、完了…!

▲星屑タイムはご覧の通りです。参考までに。
たいへんさ:苦□□■楽
ぬきやすさ:難□□■易
★内容物

▲ルール説明書(日本語・全8ページ)
特に引っ掛かりもなく読み進められるルルブです。
ルールが全体的にシンプルで、難解なところはありません♪( ̄▽ ̄*)

▲美化評議会ガイドライン&勝利点表×1枚
得点トラックとダイス置き場が一体になった共有ボードです。
6ヵ所の穴を埋めることになる6色の評議会ダイスは、
出目によって各色の建物の需要(=得点)を示します。

▲評議会ダイス×6色・各1個
各ラウンドの最初に振られて、
美化評議会ガイドラインに配置するダイスです。
その出目は、ラウンド中にも変動し、
常にプレイヤーたちの注目を集めます。

▲勝利点マーカー×4色・各1個
得点トラックに置いて、
各プレイヤーの得点を示すキューブです。
この4色は、ダイスや建物の色とは関係ありません。

▲50+点マーカー×4色・各1個
得点トラックで2周目に突入したことを示すマーカーです。
各プレイヤーの勝利点マーカーの色を確認するためにも使われます。

▲プレイヤーボード×4枚
各プレイヤーが1枚ずつ受け取り、
色の配分を修正していくことになる9マスの個人ボードです。
全部で4枚あるボードは、それぞれ色の配置が異なりますが、
必ず赤・青・黄・緑・紫が1~2マスずつあるようになっています。

▲建物タイル(2マスサイズ)×55枚
自分のターンに1枚受け取り、
プレイヤーボード上に配置する2マスのタイルです。
5色×5色の全ての組み合わせがありますが、
2マスとも同じ色のタイルは、1色につき1枚のみとなっています。

▲年末タイル(2マスサイズ)×5枚
これが出たら、そのラウンドが終了となるタイルです。
各ラウンドごとの建物タイルの山の、
下から4枚のうち1枚が、このタイルとなります。

▲建物タイル(1マスサイズ)×10枚
2マスサイズの建物タイルの代わりに、受け取ることができるタイルです。
ウラ向きの山から取るので、何色が出るかは分かりませんが、
ダイスの出目を1回修正できるというボーナスが付きます。
★どんなゲーム?
「ファヴェーラ」は、
ブラジルの貧民街である"ファヴェーラ"の美化プロジェクトとして、
(その資金調達をする)評議会からの配色についての要望を聞きながら、
3年間で貧民街の密集住宅の色を塗り替えていくゲームです!
…と、いっても、
そもそもの"ファヴェーラ"というのが、
一体どんなところなのか分からないと、
いまいちイメージが湧きづらい思いますので――
まずは、私星屑がプレイしている、
PS4の「レインボーシックス シージ」というゲームに出てくる、
"ファベーラ"というマップの画像を見てみましょう。

▲はい、こちらがファベーラの画像になります。
パッと見でコルコバードのキリスト像の方に目がいきがちかもですが、
見ていただきたいのは、中央やや左上の…、

▲このカラフルでポップな住宅密集地!
まさに、このイメージです。
こういった住宅の色を塗り替えていくゲームだと思ってください。
それで、私星屑、
このゲームの内容物を最初に見たときに…、

▲このプレイヤーボードが、

▲こうなっていくゲームかな、と勘違いしていたんですが…、

▲実際は、プレイヤーボードに、

▲タイルを積み重ねていくゲームだったんです!

▲要するに、プレイヤーボードの色を、

▲タイルで上塗りしていく感じ!!
建て増しではなく塗り替えですので、そりゃそうですよね…!
そんな積み重ね系タイルゲームの「ファヴェーラ」の内容について、
ここからは、このような流れで見ていきましょう。
☆ゲームの準備
☆各ラウンドの準備
☆自分のターンにすること(3択)
☆ダブルタイルを選んで取ったら
☆ダブルタイルを山から取ったら
☆シングルタイルを取ったら
☆ラウンドの終了と得点計算
☆次のラウンドへ
☆ゲームの準備
このゲームは、全3ラウンド(=3年間)をプレイします。
そして、自分のターンが回ってきたら、
タイルを1枚受け取って自分のボードに配置します。
そのために、ゲーム開始前には、
タイルの山を3山(=3ラウンドぶん)準備しなければなりません。

▲まず、全55枚の建物タイル(2マス)をシャッフルして、

▲プレイ人数に応じた枚数の山を3山つくります。
枚数は、
4人プレイなら14枚×3山
3人プレイなら11枚×3山
2人プレイなら8枚×3山
…と決まっています。
こうしてつくった3山は、
ひとまず脇によけておきましょう。
続いて――

▲全5枚の年末タイルを用意して、

▲年末タイル5枚だけでシャッフル。

▲そのうち、3枚のみを使いますので、
▲あと2枚の年末タイルはゲームから除外します。
(箱に仕舞っておきましょう)

▲残した3枚の年末タイルそれぞれに、
▲建物タイル(2マス)を3枚ずつ加えて、

▲山ごとにシャッフルしたら、
▲残った建物タイル(2マス)もゲームから除外します。
(やはり箱に仕舞っておきましょう)

▲最後に、さきほど脇によけておいた、
▲プレイヤー人数に応じた山を上に重ねたら完成です!

☆各ラウンドの準備
ゲーム開始前につくった建物タイル(2マス)の3山は、
各ラウンドごとに1山ずつ使います。

▲建物タイル(2マス)に加えて、
▲建物タイル(1マス)も1つの山にしておきましょう。

▲各ラウンドの開始時には、
▲建物タイル(2マス)の山の上から、
▲3枚をオモテ向きにして並べておきます。

▲さらに、6個の評議会ダイスを振って、

▲美化評議会ガイドラインの6ヵ所の穴に、

▲色が合うようにして配置しましょう。
この青・紫・赤・黄・緑のダイスの出目は、
ラウンド終了時の、各建物の得点を表しています。
直上の画像でいえば、
青の建物は2点で、紫の建物は3点…といった具合です。
そして、これらの得点は、
ラウンド終了時に各建物の数が最多のプレイヤーが手にします。
つまり、
青の建物の数が最多のプレイヤーは2得点で、
紫の建物の数が最多のプレイヤーは3得点…ということですね。
とはいえ、これらのダイスの出目は、
ラウンド中に2つの条件によって変動しますので、
必ずしも最後までこの通りとは限りません。
というか、
プレイヤーたちの思惑が絡み合ってコロコロ変わります…!
目まぐるしく変動する色ごとの得点をチェックしつつ、
他のプレイヤーの個人ボードの配色にも目を光らせて…、

▲自分のボードの9マスの配色を考えていきましょう!
☆自分のターンにすること(3択)
自分のターンが回ってきたら、
必ずタイル1枚を受け取った上で、
自分のボードに配置しなければなりません。
そして、タイルの受け取り方は3パターンあって、
その時々で都合の良いパターンを選ぶことができます。

▲オモテ向きの3枚の建物タイル(2マス)の中から、
▲1枚を選んで受け取るパターンA。

▲ウラ向きの建物タイル(2マス)の山の、
▲いちばん上から1枚を受け取るパターンB。

▲ウラ向きの建物タイル(1マス)の山の、
▲いちばん上から1枚を受け取るパターンC。
▲※おまけ付き!
以上3パターンを、
ここからは実際の流れに沿ったかたちで見ていきましょう。
☆建物タイル(2マス)を選んで取ったら
さて、
建物タイルを受け取って配置することで、
建物の色を塗り替えていくわけですが――

▲「どの色を」「どの色へ」塗り替えるかは、

▲美化評議会ガイドラインを見て決めることになります。
まず「どの色へ」という話ですが、
今だと黄色の建物の得点が抜きん出ていますので…、

▲黄色を含んでいる建物タイルを受け取ってみましょう!
続いて「どの色を」という話になりますが…、

▲青と緑の建物の得点が特に低いですので、

▲自分のボードの、青と緑のマスの上に、

▲受け取った赤&黄色タイルを配置してみます。
こうして、
点数の低い青と緑の建物を、
点数の高い赤と黄色へ塗り替えたわけです…!
建物タイルを受け取って配置しましたので、
自分のターンは終了となりますが、その前に――

▲自分が建物タイル(2マス)を受け取ったことによって、
▲空いたスペースに…、

▲建物タイル(2マス)の山から1枚補充しておきましょう。
☆建物タイル(2マス)を山から取ったら
公開されている3枚の建物タイル(2マス)の中に、
残念ながら欲しいタイルが1枚もない場合は…、

▲建物タイル(2マス)の山の、いちばん上の1枚を、
▲(運を天に任せて)受け取ることもできます。

▲ただし、どんなタイルがめくれても返品不可で、
▲必ず自分のボードに配置しなければなりません。
はたして、
このターンは赤&緑タイルを配置することになったわけですが、

▲配置場所は、この赤と青のマスにしてみましょう。
すると…、

▲赤のマスに赤のタイルが重なりました。
はい、これこそが、
評議会ダイスの出目が変動する条件その1です。

▲自分のボード上で、同じ色どうしを重ねたら、
▲その色の評議会ダイスの出目に+1か-1の修正をします。

▲赤の建物は、この先、増やしていく予定ですので、
▲ここは+1の修正で3→4にしておきましょう。
なお、同色を重ねた際、
この修正は必ずしなければなりません。
例えば、直上のガイドラインで、
黄色のマスに黄タイルを重ねたら、
自分の利益になろうが不利益になろうが、
必ず黄ダイスを6→5へと修正する必要があります。
(6が最大値で+1修正はできない為)

▲また、1度のタイル配置で、

▲2マスとも同色が重なった場合は、

▲対象となるダイスを、
▲2つとも修正することになります。

▲このとき、両方とも上げるか下げるか、
▲あるいは片や上げて片や下げるかは、
▲重ねたプレイヤーの自由です。
☆建物タイル(1マス)を取ったら
自分のターンの3つ目の選択肢として、
建物タイル(1マス)を受け取るというものもあります。

▲その場合も、運を天に任せて、
▲建物タイル(1マス)の山の、いちばん上の1枚を取り、

▲そのまま自分のボードに配置しなければなりません。
そして、これこそが、
評議会ダイスの出目が変動する条件その2となるのです。
建物タイル(2マス)ではなく、
建物タイル(1マス)を受け取った場合、
評議会ダイス6個の中から1個を選んで、
やはり+1か-1の修正をします。
同色を重ねたときと違い、
いちばん自分にとって都合の良いダイスを選べますので、
うまく活用していきたいですね。

▲例えば、紫の建物タイル(1マス)を、

▲紫のマスに重ねたら、

▲紫に紫が重なったことによる、
▲紫ダイスの修正に加えて、

▲建物タイル(1枚)を受け取ったことによる、
▲任意のダイスの修正も行います。
つまり、1ターンで1色のダイスの出目を、
一気に2回、修正することができるわけですね!
もちろん、重ねた色と別の色のダイスを選んでもいいですが、
お目当ての色の得点が1ターンで±2の修正を受ける可能性があることは、
心に留めておいた方がいいでしょう。
☆ラウンドの終了と得点計算
時計回りで各プレイヤーのターンを繰り返していくうち…、

▲建物タイル(2マス)の山からの受け取りか補充によって、
▲年末タイル(="ラウンド終了"のタイル)がめくられたら、
▲そのターンでラウンドは終了します。
建物タイル(2マス)の山から直接、年末タイルを受け取った場合、
そのままボードに配置し、ダイス修正があればしてラウンド終了。
補充によって年末タイルがめくられた場合は、
その時点でラウンド終了となり、次のターンはありません。
年末タイルは、建物タイル(2マス)の山の、
下から4枚のうちのどこかに入っていますので、
山の残り枚数には注意しておきましょう…!
ラウンドが終了すると、
そのまま、そのラウンドの得点計算に移ります。

▲ここでは、自分と対面プレイヤーと左側プレイヤーの、
▲3人での得点計算の例を見ていきましょう。
前述の通り、各色の建物数が最多のプレイヤーが、
それぞれダイス目で示された得点を手にします。

▲青の建物は、
▲対面と左側のプレイヤーが、それぞれ2マスずつで最多となり、
▲2人とも2得点となりました。

▲紫の建物は、
▲対面のプレイヤーが3マスで最多となり、
▲単独で6得点となりました。

▲赤の建物は、
▲自分が3マスで最多となり、
▲単独で5得点となりました。

▲黄色の建物は、
▲自分と左側のプレイヤーが、それぞれ3マスで最多となり、
▲2人とも6得点となりました。

▲緑の建物は、
▲対面のプレイヤーが2マスで最多となり、
▲単独で1得点となりました。

▲透明ダイスの得点は、
▲自分のボードに全5色が揃っているプレイヤー全員が手にします。
▲このラウンドは、対面と左側のプレイヤーが条件を満たし、
▲2人とも3得点となりました。
…よって、
対面のプレイヤーは合計12得点、
自分と左側のプレイヤーは合計11得点で、
次のラウンドへ進むことになります。
☆次のラウンドへ
次のラウンドへ進むにあたって、

▲建物タイル(2マス)は新たな山を使い、
(※前のラウンドの余りはゲームから除外)

▲評議会ダイスは6個とも振り直します。

▲結果、例えば前のラウンドでは6点だった黄色の建物が、
▲一気に1点へと急落…なんてこともありますので、
▲配色の見直しを迫られることになるでしょう。
…そうなんです!
評議会ダイスはリセットされますが、
自分のボードのタイル配置はリセットされません!!
そのままの状態で継続します!
ここで気を付けなければならないのが、
タイルを重ねる際のルールで――

▲このようなボードに2マスの建物タイルを重ねるとして、

▲同じ段数の2マスに重ねることはできますが、

▲異なる段数の2マスには重ねることはできません。
1フロアは9マスですので…、

▲2マスの建物タイルを配置していくと、

▲必ず1マスぶん余ることになります。
フロアを全て埋める必要はありませんが、
デコボコしていてタイルを重ねにくいと感じたら…、

▲1マスの建物タイルで穴埋めしてみると良いでしょう!
全3ラウンドでゲームは終了し、
3度の得点計算の合計がいちばん高いプレイヤーの勝利です!!
もし、最高得点が並んだ場合は、
より自分のボードのタイルの段数が高いプレイヤーの勝利となります!
★コメント
私星屑、幸いなことに、
ボードゲーム仲間だけでなく、
テレビゲーム仲間にも恵まれまして、
だいたい夜勤前はプレイステーション4を起動させています。
そんなPS4で仲間たちとプレイしているのが、
FPSゲームの「レインボーシックス シージ」!!
"シージ"は、世界中の様々な建物を舞台に、
特殊部隊どうしのドンパチを楽しむゲームですが、
その舞台の一つが、なんと"ファベーラ"なんです…!

▲ファベーラは、かなり込み入った住宅密集地で、

▲その住宅の色が、赤、青、黄色に緑と、
▲やたらカラフルに塗られています。
しかも、カラフルなのは外壁だけでなく…、

▲赤い部屋に、

▲青い部屋に、

▲緑の部屋…といった感じで、
内装までもが色とりどりという徹底っぷり…!
銃撃戦をしていると、なかなか細部まで見る余裕がありませんが、
よくよく観察してみると、非常に興味深い建物になっているんです!!
そんなファベーラをテーマにしたボードゲームが発売されるということで、
私星屑、速攻で予約して、とても楽しみにしていました♪( ̄▽ ̄*)

そうして手元に届いた「ファヴェーラ」を、
今度はボードゲーム仲間たちとプレイしてみたんですが、
これは結構、ガチなゲームですね…!
星屑のテニス仲間でゲーム仲間のFさんなんかは、
「なんと、おぞましいゲームなんでしょう!」
「これはアートなんて生易しいものではありませんよ…!」
と、頭を抱えたほどで…( ̄▽ ̄;)
それもそのはず、
Fさんと星屑の対戦は終始1点を争う白熱した展開となり、
最後は、最終ラウンドで年末タイルを山から引いた星屑が、
詰め将棋よろしく詰めの一手を考え抜いた結果――

▲43対42で、星屑の勝利となったのでした…!
同点ではタイルの段数で負けてしまう盤面でしたので、
絶対に得点で上回らなければならない状況にあって、
山から直で年末タイルを引くことができた運と、
配置の選択肢を広くとることを心がけた戦略と、
勝ちへの配置を見つけ出せたヒラメキが、
1点という差に凝縮されたように思います!
かなりシンプルなルールでありながら、
自分以外の全員の個人ボードを常に監視しつつ、
自分のボードは自分のボードで配色やら段数やらを考えつつ、
どの色の点数が上げられそうか、それとも下げられそうか、
場を読んでいかないと勝つことができない…!
ひとことで言えば「骨太」なゲームではないでしょうか!

最後に、購入のオススメ度合いですが――
例えば、
同じダブルタイルを重ねる系の「ジンジャーブレッドハウス」と比べて、
こちらは良くも悪くも、かわいげがありません…!
カラフルな建物がたくさんあって綺麗…なんて余裕はなく、
いかにして相手の部屋数を上回るかだったり、
いかにして相手の部屋の点数を下げるかだったり、
がっつりとガチンコ勝負できる環境に仕上げられています!!
より競技性を求めるプレイヤーさんにこそオススメと言えるでしょうね!
また、タイルを広げるのではなく重ねるという性質上、
この手のゲームにしては場所を取らない部類に入りますので、
手狭なテーブルでもプレイできるタイルゲームをお探しであれば、
選択肢になるかとも思います♪( ̄▽ ̄*)
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★箱の外観

▲箱のオモテ面。ボールペンとのサイズ比較。
ジャケットは、カラフルな密集住宅地のイラストです。
どことなく「塊魂」を彷彿とさせますね…!

▲箱のウラ面。
いきなり「おめでとう!」から始まるゲーム内容の説明文ですが、
背景の説明ばかりで、いまいち何をするゲームなのかが掴めません。
唯一、右側のイラストでタイルゲームであることが分かります。

▲スペック。
プレイ人数は2~4人で、
プレイ時間は30分。
対象年齢は14歳~です。
★箱をオープン!

▲一発目はルルブ!

▲その下にタイル台紙があって、

▲底部にダイスとキューブで、
▲内容物は以上でした。

▲なお、タイル台紙の総量は、
▲箱の半分ほどとなっています。
★タイル抜き!

▲それでは、10枚の台紙からタイルを抜いていきましょう!
よーいドン! チッチッチッチッ……(←時計の音)

▲はい、完了…!

▲星屑タイムはご覧の通りです。参考までに。
たいへんさ:苦□□■楽
ぬきやすさ:難□□■易
★内容物

▲ルール説明書(日本語・全8ページ)
特に引っ掛かりもなく読み進められるルルブです。
ルールが全体的にシンプルで、難解なところはありません♪( ̄▽ ̄*)

▲美化評議会ガイドライン&勝利点表×1枚
得点トラックとダイス置き場が一体になった共有ボードです。
6ヵ所の穴を埋めることになる6色の評議会ダイスは、
出目によって各色の建物の需要(=得点)を示します。

▲評議会ダイス×6色・各1個
各ラウンドの最初に振られて、
美化評議会ガイドラインに配置するダイスです。
その出目は、ラウンド中にも変動し、
常にプレイヤーたちの注目を集めます。

▲勝利点マーカー×4色・各1個
得点トラックに置いて、
各プレイヤーの得点を示すキューブです。
この4色は、ダイスや建物の色とは関係ありません。

▲50+点マーカー×4色・各1個
得点トラックで2周目に突入したことを示すマーカーです。
各プレイヤーの勝利点マーカーの色を確認するためにも使われます。

▲プレイヤーボード×4枚
各プレイヤーが1枚ずつ受け取り、
色の配分を修正していくことになる9マスの個人ボードです。
全部で4枚あるボードは、それぞれ色の配置が異なりますが、
必ず赤・青・黄・緑・紫が1~2マスずつあるようになっています。

▲建物タイル(2マスサイズ)×55枚
自分のターンに1枚受け取り、
プレイヤーボード上に配置する2マスのタイルです。
5色×5色の全ての組み合わせがありますが、
2マスとも同じ色のタイルは、1色につき1枚のみとなっています。

▲年末タイル(2マスサイズ)×5枚
これが出たら、そのラウンドが終了となるタイルです。
各ラウンドごとの建物タイルの山の、
下から4枚のうち1枚が、このタイルとなります。

▲建物タイル(1マスサイズ)×10枚
2マスサイズの建物タイルの代わりに、受け取ることができるタイルです。
ウラ向きの山から取るので、何色が出るかは分かりませんが、
ダイスの出目を1回修正できるというボーナスが付きます。
★どんなゲーム?
「ファヴェーラ」は、
ブラジルの貧民街である"ファヴェーラ"の美化プロジェクトとして、
(その資金調達をする)評議会からの配色についての要望を聞きながら、
3年間で貧民街の密集住宅の色を塗り替えていくゲームです!
…と、いっても、
そもそもの"ファヴェーラ"というのが、
一体どんなところなのか分からないと、
いまいちイメージが湧きづらい思いますので――
まずは、私星屑がプレイしている、
PS4の「レインボーシックス シージ」というゲームに出てくる、
"ファベーラ"というマップの画像を見てみましょう。

▲はい、こちらがファベーラの画像になります。
パッと見でコルコバードのキリスト像の方に目がいきがちかもですが、
見ていただきたいのは、中央やや左上の…、

▲このカラフルでポップな住宅密集地!
まさに、このイメージです。
こういった住宅の色を塗り替えていくゲームだと思ってください。
それで、私星屑、
このゲームの内容物を最初に見たときに…、

▲このプレイヤーボードが、

▲こうなっていくゲームかな、と勘違いしていたんですが…、

▲実際は、プレイヤーボードに、

▲タイルを積み重ねていくゲームだったんです!

▲要するに、プレイヤーボードの色を、

▲タイルで上塗りしていく感じ!!
建て増しではなく塗り替えですので、そりゃそうですよね…!
そんな積み重ね系タイルゲームの「ファヴェーラ」の内容について、
ここからは、このような流れで見ていきましょう。
☆ゲームの準備
☆各ラウンドの準備
☆自分のターンにすること(3択)
☆ダブルタイルを選んで取ったら
☆ダブルタイルを山から取ったら
☆シングルタイルを取ったら
☆ラウンドの終了と得点計算
☆次のラウンドへ
☆ゲームの準備
このゲームは、全3ラウンド(=3年間)をプレイします。
そして、自分のターンが回ってきたら、
タイルを1枚受け取って自分のボードに配置します。
そのために、ゲーム開始前には、
タイルの山を3山(=3ラウンドぶん)準備しなければなりません。

▲まず、全55枚の建物タイル(2マス)をシャッフルして、

▲プレイ人数に応じた枚数の山を3山つくります。
枚数は、
4人プレイなら14枚×3山
3人プレイなら11枚×3山
2人プレイなら8枚×3山
…と決まっています。
こうしてつくった3山は、
ひとまず脇によけておきましょう。
続いて――

▲全5枚の年末タイルを用意して、

▲年末タイル5枚だけでシャッフル。

▲そのうち、3枚のみを使いますので、
▲あと2枚の年末タイルはゲームから除外します。
(箱に仕舞っておきましょう)

▲残した3枚の年末タイルそれぞれに、
▲建物タイル(2マス)を3枚ずつ加えて、

▲山ごとにシャッフルしたら、
▲残った建物タイル(2マス)もゲームから除外します。
(やはり箱に仕舞っておきましょう)

▲最後に、さきほど脇によけておいた、
▲プレイヤー人数に応じた山を上に重ねたら完成です!

☆各ラウンドの準備
ゲーム開始前につくった建物タイル(2マス)の3山は、
各ラウンドごとに1山ずつ使います。

▲建物タイル(2マス)に加えて、
▲建物タイル(1マス)も1つの山にしておきましょう。

▲各ラウンドの開始時には、
▲建物タイル(2マス)の山の上から、
▲3枚をオモテ向きにして並べておきます。

▲さらに、6個の評議会ダイスを振って、

▲美化評議会ガイドラインの6ヵ所の穴に、

▲色が合うようにして配置しましょう。
この青・紫・赤・黄・緑のダイスの出目は、
ラウンド終了時の、各建物の得点を表しています。
直上の画像でいえば、
青の建物は2点で、紫の建物は3点…といった具合です。
そして、これらの得点は、
ラウンド終了時に各建物の数が最多のプレイヤーが手にします。
つまり、
青の建物の数が最多のプレイヤーは2得点で、
紫の建物の数が最多のプレイヤーは3得点…ということですね。
とはいえ、これらのダイスの出目は、
ラウンド中に2つの条件によって変動しますので、
必ずしも最後までこの通りとは限りません。
というか、
プレイヤーたちの思惑が絡み合ってコロコロ変わります…!
目まぐるしく変動する色ごとの得点をチェックしつつ、
他のプレイヤーの個人ボードの配色にも目を光らせて…、

▲自分のボードの9マスの配色を考えていきましょう!
☆自分のターンにすること(3択)
自分のターンが回ってきたら、
必ずタイル1枚を受け取った上で、
自分のボードに配置しなければなりません。
そして、タイルの受け取り方は3パターンあって、
その時々で都合の良いパターンを選ぶことができます。

▲オモテ向きの3枚の建物タイル(2マス)の中から、
▲1枚を選んで受け取るパターンA。

▲ウラ向きの建物タイル(2マス)の山の、
▲いちばん上から1枚を受け取るパターンB。

▲ウラ向きの建物タイル(1マス)の山の、
▲いちばん上から1枚を受け取るパターンC。
▲※おまけ付き!
以上3パターンを、
ここからは実際の流れに沿ったかたちで見ていきましょう。
☆建物タイル(2マス)を選んで取ったら
さて、
建物タイルを受け取って配置することで、
建物の色を塗り替えていくわけですが――

▲「どの色を」「どの色へ」塗り替えるかは、

▲美化評議会ガイドラインを見て決めることになります。
まず「どの色へ」という話ですが、
今だと黄色の建物の得点が抜きん出ていますので…、

▲黄色を含んでいる建物タイルを受け取ってみましょう!
続いて「どの色を」という話になりますが…、

▲青と緑の建物の得点が特に低いですので、

▲自分のボードの、青と緑のマスの上に、

▲受け取った赤&黄色タイルを配置してみます。
こうして、
点数の低い青と緑の建物を、
点数の高い赤と黄色へ塗り替えたわけです…!
建物タイルを受け取って配置しましたので、
自分のターンは終了となりますが、その前に――

▲自分が建物タイル(2マス)を受け取ったことによって、
▲空いたスペースに…、

▲建物タイル(2マス)の山から1枚補充しておきましょう。
☆建物タイル(2マス)を山から取ったら
公開されている3枚の建物タイル(2マス)の中に、
残念ながら欲しいタイルが1枚もない場合は…、

▲建物タイル(2マス)の山の、いちばん上の1枚を、
▲(運を天に任せて)受け取ることもできます。

▲ただし、どんなタイルがめくれても返品不可で、
▲必ず自分のボードに配置しなければなりません。
はたして、
このターンは赤&緑タイルを配置することになったわけですが、

▲配置場所は、この赤と青のマスにしてみましょう。
すると…、

▲赤のマスに赤のタイルが重なりました。
はい、これこそが、
評議会ダイスの出目が変動する条件その1です。

▲自分のボード上で、同じ色どうしを重ねたら、
▲その色の評議会ダイスの出目に+1か-1の修正をします。

▲赤の建物は、この先、増やしていく予定ですので、
▲ここは+1の修正で3→4にしておきましょう。
なお、同色を重ねた際、
この修正は必ずしなければなりません。
例えば、直上のガイドラインで、
黄色のマスに黄タイルを重ねたら、
自分の利益になろうが不利益になろうが、
必ず黄ダイスを6→5へと修正する必要があります。
(6が最大値で+1修正はできない為)

▲また、1度のタイル配置で、

▲2マスとも同色が重なった場合は、

▲対象となるダイスを、
▲2つとも修正することになります。

▲このとき、両方とも上げるか下げるか、
▲あるいは片や上げて片や下げるかは、
▲重ねたプレイヤーの自由です。
☆建物タイル(1マス)を取ったら
自分のターンの3つ目の選択肢として、
建物タイル(1マス)を受け取るというものもあります。

▲その場合も、運を天に任せて、
▲建物タイル(1マス)の山の、いちばん上の1枚を取り、

▲そのまま自分のボードに配置しなければなりません。
そして、これこそが、
評議会ダイスの出目が変動する条件その2となるのです。
建物タイル(2マス)ではなく、
建物タイル(1マス)を受け取った場合、
評議会ダイス6個の中から1個を選んで、
やはり+1か-1の修正をします。
同色を重ねたときと違い、
いちばん自分にとって都合の良いダイスを選べますので、
うまく活用していきたいですね。

▲例えば、紫の建物タイル(1マス)を、

▲紫のマスに重ねたら、

▲紫に紫が重なったことによる、
▲紫ダイスの修正に加えて、

▲建物タイル(1枚)を受け取ったことによる、
▲任意のダイスの修正も行います。
つまり、1ターンで1色のダイスの出目を、
一気に2回、修正することができるわけですね!
もちろん、重ねた色と別の色のダイスを選んでもいいですが、
お目当ての色の得点が1ターンで±2の修正を受ける可能性があることは、
心に留めておいた方がいいでしょう。
☆ラウンドの終了と得点計算
時計回りで各プレイヤーのターンを繰り返していくうち…、

▲建物タイル(2マス)の山からの受け取りか補充によって、
▲年末タイル(="ラウンド終了"のタイル)がめくられたら、
▲そのターンでラウンドは終了します。
建物タイル(2マス)の山から直接、年末タイルを受け取った場合、
そのままボードに配置し、ダイス修正があればしてラウンド終了。
補充によって年末タイルがめくられた場合は、
その時点でラウンド終了となり、次のターンはありません。
年末タイルは、建物タイル(2マス)の山の、
下から4枚のうちのどこかに入っていますので、
山の残り枚数には注意しておきましょう…!
ラウンドが終了すると、
そのまま、そのラウンドの得点計算に移ります。

▲ここでは、自分と対面プレイヤーと左側プレイヤーの、
▲3人での得点計算の例を見ていきましょう。
前述の通り、各色の建物数が最多のプレイヤーが、
それぞれダイス目で示された得点を手にします。

▲青の建物は、
▲対面と左側のプレイヤーが、それぞれ2マスずつで最多となり、
▲2人とも2得点となりました。

▲紫の建物は、
▲対面のプレイヤーが3マスで最多となり、
▲単独で6得点となりました。

▲赤の建物は、
▲自分が3マスで最多となり、
▲単独で5得点となりました。

▲黄色の建物は、
▲自分と左側のプレイヤーが、それぞれ3マスで最多となり、
▲2人とも6得点となりました。

▲緑の建物は、
▲対面のプレイヤーが2マスで最多となり、
▲単独で1得点となりました。

▲透明ダイスの得点は、
▲自分のボードに全5色が揃っているプレイヤー全員が手にします。
▲このラウンドは、対面と左側のプレイヤーが条件を満たし、
▲2人とも3得点となりました。
…よって、
対面のプレイヤーは合計12得点、
自分と左側のプレイヤーは合計11得点で、
次のラウンドへ進むことになります。
☆次のラウンドへ
次のラウンドへ進むにあたって、

▲建物タイル(2マス)は新たな山を使い、
(※前のラウンドの余りはゲームから除外)

▲評議会ダイスは6個とも振り直します。

▲結果、例えば前のラウンドでは6点だった黄色の建物が、
▲一気に1点へと急落…なんてこともありますので、
▲配色の見直しを迫られることになるでしょう。
…そうなんです!
評議会ダイスはリセットされますが、
自分のボードのタイル配置はリセットされません!!
そのままの状態で継続します!
ここで気を付けなければならないのが、
タイルを重ねる際のルールで――

▲このようなボードに2マスの建物タイルを重ねるとして、

▲同じ段数の2マスに重ねることはできますが、

▲異なる段数の2マスには重ねることはできません。
1フロアは9マスですので…、

▲2マスの建物タイルを配置していくと、

▲必ず1マスぶん余ることになります。
フロアを全て埋める必要はありませんが、
デコボコしていてタイルを重ねにくいと感じたら…、

▲1マスの建物タイルで穴埋めしてみると良いでしょう!
全3ラウンドでゲームは終了し、
3度の得点計算の合計がいちばん高いプレイヤーの勝利です!!
もし、最高得点が並んだ場合は、
より自分のボードのタイルの段数が高いプレイヤーの勝利となります!
★コメント
私星屑、幸いなことに、
ボードゲーム仲間だけでなく、
テレビゲーム仲間にも恵まれまして、
だいたい夜勤前はプレイステーション4を起動させています。
そんなPS4で仲間たちとプレイしているのが、
FPSゲームの「レインボーシックス シージ」!!
"シージ"は、世界中の様々な建物を舞台に、
特殊部隊どうしのドンパチを楽しむゲームですが、
その舞台の一つが、なんと"ファベーラ"なんです…!

▲ファベーラは、かなり込み入った住宅密集地で、

▲その住宅の色が、赤、青、黄色に緑と、
▲やたらカラフルに塗られています。
しかも、カラフルなのは外壁だけでなく…、

▲赤い部屋に、

▲青い部屋に、

▲緑の部屋…といった感じで、
内装までもが色とりどりという徹底っぷり…!
銃撃戦をしていると、なかなか細部まで見る余裕がありませんが、
よくよく観察してみると、非常に興味深い建物になっているんです!!
そんなファベーラをテーマにしたボードゲームが発売されるということで、
私星屑、速攻で予約して、とても楽しみにしていました♪( ̄▽ ̄*)

そうして手元に届いた「ファヴェーラ」を、
今度はボードゲーム仲間たちとプレイしてみたんですが、
これは結構、ガチなゲームですね…!
星屑のテニス仲間でゲーム仲間のFさんなんかは、
「なんと、おぞましいゲームなんでしょう!」
「これはアートなんて生易しいものではありませんよ…!」
と、頭を抱えたほどで…( ̄▽ ̄;)
それもそのはず、
Fさんと星屑の対戦は終始1点を争う白熱した展開となり、
最後は、最終ラウンドで年末タイルを山から引いた星屑が、
詰め将棋よろしく詰めの一手を考え抜いた結果――

▲43対42で、星屑の勝利となったのでした…!
同点ではタイルの段数で負けてしまう盤面でしたので、
絶対に得点で上回らなければならない状況にあって、
山から直で年末タイルを引くことができた運と、
配置の選択肢を広くとることを心がけた戦略と、
勝ちへの配置を見つけ出せたヒラメキが、
1点という差に凝縮されたように思います!
かなりシンプルなルールでありながら、
自分以外の全員の個人ボードを常に監視しつつ、
自分のボードは自分のボードで配色やら段数やらを考えつつ、
どの色の点数が上げられそうか、それとも下げられそうか、
場を読んでいかないと勝つことができない…!
ひとことで言えば「骨太」なゲームではないでしょうか!

最後に、購入のオススメ度合いですが――
例えば、
同じダブルタイルを重ねる系の「ジンジャーブレッドハウス」と比べて、
こちらは良くも悪くも、かわいげがありません…!
カラフルな建物がたくさんあって綺麗…なんて余裕はなく、
いかにして相手の部屋数を上回るかだったり、
いかにして相手の部屋の点数を下げるかだったり、
がっつりとガチンコ勝負できる環境に仕上げられています!!
より競技性を求めるプレイヤーさんにこそオススメと言えるでしょうね!
また、タイルを広げるのではなく重ねるという性質上、
この手のゲームにしては場所を取らない部類に入りますので、
手狭なテーブルでもプレイできるタイルゲームをお探しであれば、
選択肢になるかとも思います♪( ̄▽ ̄*)
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